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date :2012年05月

【映画祭】『R』第5稿

『R』5稿

4稿からの主な変更点
・ケンタキャスト確定につき、年齢を25歳に上げ。
・ヤスの年齢を19~20歳に下げ。
・で、ケンタはバンドの中の兄貴分的ポジションへ。ヤスはあかりの同級生でちょっと片思いを匂わす感じに。
・ラストの『あかり復活のきっかけ』がREIKAの独壇場だったのを、ケンタヤスにも見せ場を。これで全員キャラ付けできたか……な?


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S-0 ライブハウス【SONIC】
※S-1の各所にS-0をインサート。
※【要推敲】客がここでラストの歌を歌うか否か

『R』ライブの一幕。
会場内に響く『R』コール。(『ひかり』コール?)
ステージ上のひかり・あかり・ケンタ・ヤス。

ひかり「(やや息上がり気味で)ありがとう。皆、まだまだ遊び足りない少年のようなキラッキラした目してるね、いいね好きだよ。じゃあもう一曲くらい歌っちゃおっかな~、どうしよっかな~」

更に大きくなる『R』コール。

ひかり「OK……(以下メンバー紹介)それは歩く戦車か戦艦か、あるいはタダのデブか、全体重を乗せて今奏でる怒涛の打撃音、ドラム、ケンタ~!(ケンタソロ少々)
影は薄いがそういうダークサイドな雰囲気がステキに無口なナルシスト、ベース、ヤス~!(ヤスソロ少々)
そしてそして、うちのかわいいミステリアスインテリジェンスプリティーキュートで、えーと、とにかくかわいい、キーボード、あかり~~~!(あかりソロ少々)
そして、ボーカル兼ギターは私ひかりで、本日最後の曲、行くぞ~!(客合いの手) 行っちゃうぞ~!(客合いの手) 本当にいいのか~?(客合いの手)
OK。ロマンティックにロックしよう、R」
(体で『R』やりたいけど相当ギャグに)


S-1 ガレキ集積所【錦須賀or豊間】
ガレキの山の中を歩くあかり。
ガレキの中から何かを探している。
ガレキの山の頂上で壊れたギターを見つけ、手に取る。

タイトル『R』


S-2 音楽スタジオ ハコ内【スタジオ昭和】
あかり、ケンタ、ヤス、スタジオ内でバンド練習風景。
曲終わる。
間。

ヤス 「やっぱりボーカルなしだとちょっとな」
あかり「……帰ってくるもん」
ケンタ「気持ちは……わかるけどさ、でももう5月だぞ? あれから2ヶ月経ってるんだぞ?」
あかり「お姉ちゃんが帰ってきたときに、なまってないようにちゃんと練習しておかなきゃ」
ヤス 「俺は、続けるなら新しいボーカル探した方がいいと思うけど。あ、あかり、お前やれば」
ケンタ「おいヤスなんでお前はそう―――」
あかり「私には無理、お姉ちゃんの代わりになんてなれない」
ヤス 「じゃあ誰か他の―――」
あかり「駄目! お姉ちゃんの代わりになれるボーカルなんていない。私は待つ。お姉ちゃんは絶対帰ってくる」
ヤス 「埒があかねぇな。まあ現状ライブの予定はないから、今すぐどうこうって話じゃないけどよ」

間。

ヤス 「俺バイトあるから帰りますよ」

ヤス帰る。

ケンタ「……練習再開にはちょっと早かったな。ヤスも家のことで色々大変らしいから気が立ってるんだよ。もう少し落ち着いてから考えようか」
   
ケンタ帰る。
と思いきやケンタ振り返る。

ケンタ「俺は……お前がやる気なら、とことん付き合うからな」

ケンタ帰る。
取り残されるあかり。


S-3A 音楽スタジオ ホール【スタジオ昭和】
あかり、溜息つきつつハコから出てくる。

ST管理人「大丈夫……?」
あかり「解散の危機、ってやつでしょうか」

あかり、物販コーナーにおいてあるRのCDを手に取る。
凛々しいひかりをメインにしたCDジャケット(自主制作CD風に)。

あかり「こんなときお姉ちゃんなら何て言ったと思います?」
ST管理人「『わかる! 私には痛いほどわかるよ! 大変だ、そりゃみんな大変だよ! でもだからこそ今歌うしかないんだよ! 何のために音楽やってんだよ、今歌わなくて、いつ歌うんだよ!』……とか?」
あかり「言いそう(笑)」

あかり、テーブルに着き、ふと掲示板を見やる。街コンのポスターが目に付く。

ポスター『いわき街中コンサート2011 10月○日・△日開催』


S-4 街コン会場各所(回想)【いわき駅前各所、アリオス】
実際の2012街コン映像(もしくは過去素材があれば)。
いわき駅前の各会場でコンサートが行われている様子。

あかりN「いわき街中コンサート―――街コン。いわき駅前の至る所にステージが設置さ           れ、アマチュアからプロまで、ソロからバンド・部活動まで、ジャンルもロックにフォーク、ゴスペルに和太鼓まで、計100組を超えるミュージシャン達が集う、街を挙げた音楽の祭典。いわき中が音楽一色になる二日間」


S-3B 音楽スタジオ ホール【スタジオ昭和】
回想戻り。
街コンポスターを見つめるあかり。

スタジオ管理人「今年はやるのかなぁ。まだ駅前の復旧工事も終わってないし、また来年になっちゃうかなぁ。
ひかりちゃん、街コン好きだったよね。どのライブハウスよりも好きだって言ってたね」
あかり「街コンは特別なんです。ライブハウスは基本的に、聴きに来るべくして聴きに来るお客さんしか来てくれませんけど、街コンは通りがかる人全てがお客さんになりうるから、って」
ST管理人「なるほどねぇ、挑戦的でいいね。ひかりちゃんらしいや」
あかり「来週、大丈夫ですか」
ST管理人「大丈夫だよ、ガラッガラだからいつでも」
あかり「じゃあお願いします」

ST管理人、翌週のスケジュール表に『R』記入。他スケジュールはガラガラ。
『IWAKI 7 HAMA EYE LIGHT(以下「7」と表記)』のみちょこちょこ入っている。
  

S-5 学校 教室【いわき明星大学】
学校外観。人通りは少なく閑散。
中教室内で講義中。あかりの他に学生は数名しかいない。


S-6 学校 食堂【いわき明星大学】
ガラガラの食堂で一人昼食をとるあかり。月見うどん。
周囲の会話が耳に入る。

学生 「避難すんの?どこに?」「新潟かな。親戚がいるから」
学生 「放射線やばくね?」「でも落ち着いてきてるじゃん」「って言ったってまたいつ再臨界するか」「ただちに影響ないらしいじゃん?」「じゃあそのうち影響あるじゃん」
学生 「東電ボーナス出るんだって、80万」「うちの親父失業したんだけど。死んでいいよね」
学生 「学校って一時休学とかできんの? 学費返ってくんの?」「さすがにそういうのなんかあるんじゃね? あとで学生課いってみっぺ」
体育会サークル学生「夏の大会どうなんのかねぇ」「中止に決まってるじゃん」「えぇぇえまじかよ、俺の青春が」「残念だけど今はそれどころじゃねーっしょ」
REIKA「バンド、どうすんの」
   
不意にあかりの傍にREIKAと7メンバーが通りがかる。

あかり「山田さん……」
REIKA「山田って誰。私はREIKA。
……で、バンド続けるのどうするの? Rはひかり先輩あってのバンドだし、正直ドラムもベースも人並みだわ。勿論キーボードも然り」
7ドラム「REIKAさん、ひかりさんのことはまだちょっと今は……」
REIKA「(無視して)そんな状態で続けられるとは到底思えないけど、まあひかり先輩のいないRなんて、卵の入っていない月見うどんみたいなもんね。ま、せいぜい頑張るといいわ」

REIKA去る。7メンバー後を追う。
あかり、うどんを見つめる。


S-7 音楽スタジオ ハコ内【スタジオ昭和】
外観。満月。
ハコ内にあかり一人。待ちぼうけ。
時計が19時になる。
あかり、キーボードを弾き始める。が少し演奏したところでギターに持ち替え、荒々しく弾き散らす。
携帯にケンタからの着信。あかり、気付かず。


S-9 ケンタ宅(実家一戸建て)【】
2トントラックでケンタの引越し作業。終わりかけ。
ケンタ・ケンタ妻・娘に、友人2,3名とあかり・ST管理人も手伝っている。
最後の荷物を積み終え、ケンタがトラックの荷台の扉を閉める。

ケンタ「急に悪いな、助かったよ、ありがとな。店長まで一緒に手伝ってもらっちゃって、本当にすみません」
あかり「いいですよ別に」
ST管理人「暇だし全然オッケー。たまには身体動かさないとね」

ST管理人、タバコ吸いにその場を離れる。

ケンタ「……ごめんな。俺だけこっちに残ってもよかったんだけど」
あかり「しょうがないですよ。子供の方が影響大きいっていうし。ヒビキちゃん(ケンタ娘)もう6歳になったんだっけ?」
ケンタ「うん、今年から小学校」
あかり「でもタイミングが良かったですね、この時期だとまだクラスに馴染むのにも多少はラクでしょうし」
ケンタ「でも福島から転校してきた子供がいじめに遭った、なんてニュースも見たし、ちょっと怖いな。どこだっけ、新潟の話だっけかな」
あかり「パパだもん、守ってあげないと」
ケンタ「だな」

ケンタ妻、自家用車に乗り込む。

ケンタ妻「(あかりらに)皆さん本当にありがとうございました。(ケンタに向いて)そろそろ出ないと」
ケンタ「あいよ。じゃあそろそろ俺も」
あかり「……戻ってきますか?」
ケンタ「落ち着いたら、な」
あかり「それはいつ?」
ケンタ「いつかな……。じゃ、なんかあったら連絡くれな」

ケンタ、トラックに乗り去る。

ST管理人「行っちゃったねぇ……」
あかり「なんで私、ここに残ってるんだろう」
ST管理人「まー放射線やら余震の心配やら色々あるけどさぁ。なんだかんだで、この場所に固執する何かがあるんでしょ? 郷土愛とか友達とか仕事とか……あかりちゃんの場合は?」

トラック車内。トラックのサイドミラーに映る、取り残されるあかり。

ケンタ妹N「ねーねー、パパぁ~いいの? 太鼓どうするの? やめちゃうの?」
ケンタN「やめないよ。やめるわけがない。絶対、戻ってくるからな」


S-10 漁港【小名浜港】
ヤス、ガテン系のバイトから帰宅途中、港に寄る。
ヤス父が船の整備をしている。ヤス、船に乗り込む。

ヤス 「大分ガレキも片付いてきたね」
ヤス父「おう、お疲れ」
ヤス 「いつになったら漁出られんの?」
ヤス父「あー、カツオの水揚げがもうそろそろ始まるらしいな」
ヤス 「売れんの?」
ヤス父「どうだろうなぁ……例えばだな、北海道の襟裳沖で獲ったカツオを、小名浜で揚げようが銚子――千葉な――で揚げようが、モノは一緒なわけよ。でも水揚げされた港によって福島産・千葉産とか産地の名前が付いちまう。『福島産』の名前がついちまったら、まだ売れねえかもなぁ。
外の人間からすりゃ、いわきで水揚げした魚を全国で売り出すなんて毒を撒いてるようなもんだ、なんて批判もあるけどな。まあそう恐れるのも無理はないか」

間。

ヤス 「今俺が『頑張れ』って言ったらどう感じる?」
ヤス父「そりゃ頑張るさ。何でだ?」
ヤス 「いやさ、『頑張れ』と言われて、頑張れる奴と頑張れない奴がいるじゃん。正確に言うと、その言葉を素直に受け取れる奴と受け取れない奴がいるじゃん。
頑張ってる奴ってのは大抵外から何も言われなくても既に頑張ってるのが多い気がするんだけどさ、頑張れないどん底の状態の奴に頑張れと言ったところでその言葉は宙に浮き意味を成さず、むしろ煙たがれる或いは更なるプレッシャーにさえなりうる。そういう奴に、俺は何て言えばいいのかなと」
ヤス父「あー……あれか、おめぇの歌謡曲グループの歌い手の子のことか」
ヤス 「の妹な」
ヤス父「あれだ、音楽で繋がってるお前がその子を支えてやれる方法っつったら、そりゃ音楽ぐらいだろ。エレキギターでベンベン鳴らしてやるしかねえだろ。
お前大学辞めるとかこの前言ったよな。それと歌謡曲の練習も最近行ってないみたいだけどよ、辞めるなよ」
ヤス 「……」


S-10.5 大学 構内食堂?【明星大学】
7メンバーがたむろっている。7ドラムがそこへ駆けてきて合流。

7ギター「見つかった?」
7ドラム「いや、いないな。どこ行っちまったんだよまったく」
7ベース「電話もダメだ。最近つかまんないよね」

不意にピアノが聞こえてくる。

7全員 「こ、これは……!!」
7ドラム「岩壁に打ちつける荒波の如きダイナミックな響き!」
7ベース「かと思えば皐月の高原を吹き抜ける風のように果てしなく爽快でクリア!」
7ギター「彼女の手にかかればピアノはもはや打楽器!!」

7メンバー、走り出す。


S-10.7 大学 音楽室【明星大学】
REIKA、音楽室で一人ピアノで激しい曲を弾いている。
そこへ7メンバーが駆けつける。
7ギターが声を掛けようとするが、ドラムが制止する。7メンバーら、入り口から見守る。

7ドラム「REIKAさん、ひかり先輩の大ファンだったからなぁ。目標を失って茫然自失って感じなのかね」
7ベース「しかし、なんであんなにあかりちゃんにキツイんだろうね」
7ギター「そりゃひかり先輩の可愛がってた妹だし、ジェラシー?」

REIKA、まだ弾いている。
(回想入れるか? ひかりにフラれるシーンS-21繋がりで「なんかあったらあの子のこと頼むよ」)
REIKA、曲を弾き終える。席を立ち、音楽室入り口の7メンバーに気付く。メンバーを通り過ぎ廊下へ。立ち止まる。

REIKA「アタシたちはあの地震で全員無事だったし、深刻な被害もなく全員揃っている。かと思えばすぐ傍には身内を亡くしたり家を失くしたりしている奴がいる。私は幸せなんだろうか。不幸せなんだろうか」
7ギター「突然何言って―――泣いて……るんですか?」
7ドラム「知ってます!砂埃が目に入ったんですよね!」
7ベース「あるいはコンタクトがずれた!」
7ギター「デリケートなREIKAさんのことですから季節外れの花粉症の可能性も!」
REIKA「よくわかってる。……やっぱりアタシはアンタ達がいて幸せだ。でも、今アタシはそれを喜べない。幸せだからこそ悲しい」

REIKA、足早に去る。


S-11A あかり宅跡【薄磯】
流された家跡に佇むあかり。ひかりへの花束・手紙・プレゼント等が既に大量に供えられている。
あかり、携帯でひかりに電話をかける。『お客様の電話は都合により―――』アナウンス。

おっかけ「あ、ここじゃね?」「あ、そうだね。いっぱいお供え物あるし」

あかりの背後に、不意にRのおっかけファン二人組が現れる。
おっかけ二人、あかりの様子を伺いながらもおずおずと花を供える。
帰り際、あかりをRのキーボード担当と気付く。

おっかけA「あれ……もしかしてキーボードのあかりさん……ですよね?」
おっかけB「俺達、ひかりさんのめっちゃファンなんです! ライブも毎回行ってます! 今回のことは本当になんと言ったらいいか……」
おっかけA「Rはどうなっちゃうんですか?」
おっかけB「ひかりさんの代わりなんてそうそういないだろうし……」
あかり「帰ってください」
おっかけAB「え」
あかり「帰ってください!」

おっかけ、やや呆然として帰る。
あかり、おっかけが帰ってからバラード一曲歌い始める。アカペラからOLでオケBGM MIX。
   

S-12 回想【】
・A ライブハウス【SONIC】 バンドをまとめるひかり。
・B 海岸【勿来海岸?】 あかりとひかり、海辺でハモリの練習
・C あかり宅【】 あかりの作った詞をひかりが読んで色々推敲
・D あかり宅【】 あかり、指を怪我する。ひかり、超大げさに治療。
・E 裏路地【白銀】 ヤンキーに絡まれるあかりをひかりが救出。『姉の背中』見てる感
・F ライブハウス【SONIC】 ライブ中、歌ってるひかりの後姿を斜め左後ろ45度から見つめるあかり
・G いわき駅前【ペデストリアンデッキ】 地震後、あかりからひかりに電話。最期の言葉を交わす、が欲しい。要推敲


S-11B あかり宅跡【薄磯】
あかり、歌い終え、おっかけが供えた花を凝視後、蹴散らす。
大の字に寝転び空を仰ぐ。
   

S-13 音楽スタジオ【スタジオ昭和】
季節感のある実景少々。夏。
ST予定表、あかりのバンドの予約はない。鳴らない電話。暇そうな管理人。節電。暑そう。
原発・余震関連のニュース映像(ラジオ音声でもいいか)。


S-14 学校【明星大学】
学校・教室。出席をとる。あかりはいない。


S-15 あかり自室 仮設住宅【】
あかり自室。ベッドに寝転んでいるあかりにあかり母が封書を2通持ってくる。

母「これ。あんたが持っておいた方がいいだろうね」

あかり、のっそりと受け取る。
封書の宛名は『R 日野ひかり様』・『R 日野あかり様』。差出人は『いわき街中コンサート実行委員会』。 
あかり、慌てて中身を確認。

S-15A ケンタ自室、封書の中身確認。
ケンタ「街コン」

S-15B ヤス自室、封書の中身確認。
ヤス 「やるのか」


S-18 各家【】
あかり、仮設住宅前、ケンタ・ヤス各自室、で電話。

ケンタ「街コンの案内、届いてるよな。出ようぜ」
あかり「でも、お姉ちゃんが……」
ヤス 「その『お姉ちゃん』がライブの予定入れちまったんだから仕方ねぇ。やるしかねえだろ」
ケンタ「ギリギリまで待とう。とにかく、ひかりが戻ることを前提に、出場する方向でいこう」
あかり「……うん」
ヤス 「一つだけ約束しろ。ひかりが間に合わなかったら、あかり、お前が歌え」
あかり「……わかった」


S-16A 実景もろもろ 復興の様子【】
ラジオN『徐々に人戻ってきてます。徐々に復興してますがんばってます。市職員の臨時増員で雇用確保とかもしてます。ハワイアンとかアクアマリンとかも続々リニューアルオープンしてます』的内容。

ライブハウス前。街コンポスター『街コンやります!』的。
大学中教室で講義中。徐々に人戻ってきてる「山田~」「山田って誰。私はREIKA」
復興祭映像。
アクアマリン再オープン。
ららみゅう再オープン。
ハワイアンズ再オープン。

ケンタ、娘に見送られ自主避難先のアパートを出る。電車移動中の車内で、手で膝を叩いてリズムとっちゃったり。


ヤス、自室で楽譜を引っ張り出し、自主トレ。部屋にはライブの写真や『R』ポスターとか大量に貼ってある。乱雑な机の上には、額に入れたあかり笑顔ソロの写真がこっそり紛れ込んでいる。


S-17 音楽ST【スタジオ昭和】
電話鳴る、管理人とる。

ST管理人「久しぶり……うん、火曜日19時からね、OK」

管理人、スケジュール表に『R』を書き込む。


S-18 仮設住宅【】
あかり、仮設住宅前に佇んでいる。携帯でひかりにメールを打つ。
暗転。


S-19 いわき駅前【いわき駅前】
各会場での街コンの様子実景。
ラジオ番組音声『今日はいよいよ街コンですね~、出場バンドは○○組、いわき駅前の各会場で―――』


S-20A アリオス外 正面口【アリオス】
アリオス外観。
正面口、『街コン○会場』看板。
エントランスでひかりを待つあかり・ケンタ・ヤス。
そこへライブ本番衣装のREIKAら7メンバーが通りがかる。

REIKA「やっぱり、出るのね。……誰が歌うの」
ケンタ「ひかり」
REIKA「……来なかったら」
ヤス 「あかり」
REIKA「……アタシ、Rに入れてもらいたくてひかり先輩に頼み込んでフラれたんだよ。何でか知ってる?」


S-21 回想 道【いわき駅 ペデストリアンデッキ】(このシーン全削除の可能性あり)
ひかりとREIKAが向き合っている。ひかりからやや離れて後ろにあかり。

REIKA「先輩、私をバンドに入れて下さい! 先輩と一緒にやりたいんです!」(ずり上げ)
ひかり「あ~、キーボードだよね。キーボードは既にエースがいるからなぁ。あの子、ああ見えて結構やるでしょ」
REIKA「私、あかりより上手くやります! お願いします!」
ひかり「ていうかねぇ栄子ちゃん、それを私に言うのはちょっと違うかな~って。私ボーカルやってるしこんな性格だからリーダーっぽく見えるかもしれないけどさ、Rは私のバンドじゃないんだよね。曲も詞も全部あかりが書いてるでしょ? あの子そういうのは昔から好きでさ、私にスコアと新品のギター持ってきて言ったのよ、『お姉ちゃん、これ歌って』って。それがRの始まり」
【回想】あかり、作詞ノートを同級生に見つかりからかわれる→あかり、ひかりにギターと楽譜渡す。
REIKA「!!」
ひかり「びっくりだよねそりゃ。あんな大人しい子がこんな激しいエモーションを内に秘めてたなんてさ。でもまだ自分で歌う勇気はないから、私に歌って、ってね。まあ私はただのカラオケ好きの目立ちたがり屋だから、ボーカルやるのなんて苦でもなんでもないんだけどさ。いつかあの子が、自分で作った曲で、自分の思いを、自分で歌える日が来たらいいな」

回想終わり。


S-20B アリオス外 正面口【アリオス】
REIKA「ひかり先輩の望みは何。アンタのしたいことは何。私が言いたいのはそれだけ」

マチコンスタッフがやって来る。
   
スタッフ「あ、いた、いわき七浜と…それとRの皆さんも。受付済ませて楽屋スタンバイして頂いてよろしいですか?」

スタッフ慌しく去り、REIKAらもアリオス中へ。
あかり、携帯電話を取り出す。着信・メールともにナシ。
時間経過。
あかり、行き交う通行者を見る。

通行人EX「○会場って小劇場だっけ? 中?」「七浜とRには間に合ったな」「あ、Rのボーカル、代わるらしいぜ」「え、ひかりさんじゃなくなんの? マジで? 誰に?」「さー、誰が歌うんだろうな」

ケンタ「そろそろ時間だな」
あかり「ごめん……やっぱり私、歌えない。やっぱり私には無理だよ……。お姉ちゃんの代わりになんてなれないよ。お姉ちゃんはカリスマ性というかアイドル性というか、そういうのがあって、誰からも好かれるし、社交的だし、明るくて元気だし、それに比べて私は―――」
ヤス 「ふざけんなよ! 約束したろ! お前歌うって言ったじゃねぇかよ!」
ケンタ「ヤス落ち着け。(あかりに)どうしても無理か?」

あかり、小さく頷く。

ケンタ「……今回は残念だけど、辞退しよう」
ヤス 「何でケンタさんはそんな冷静でいられるんすか! ひかりさんが来ない事なんてわかりきって―――」
ケンタ「おい、それ以上は言うな。お前にあかりの気持ちはわからないだろう」
ヤス 「そんなもんわかんねーっすよ! わかんねーけど! わかんねーから! ライブするんじゃないすか! くそっ」

ヤス、去る。

ケンタ「……俺、事務局に話してくるから」

ケンタ去る。
あかり、地面に体育座りで座り込む。


S-22A アリオス内 中劇場 楽屋口休憩室【アリオス】
ケンタ、通りすがりのスタッフを呼び止める。

ケンタ「あ、すみません、運営の方ですよね。こんなギリギリで申し訳ないんですが……」
スタッフ「え~、今ですか! そりゃ困りますよ。なんでこんなギリギリに」


S-23A アリオス内 中劇場【アリオス】
中劇場ステージ上。Rの前バンド、演奏終了。


S-22B アリオス内 中劇場 楽屋口休憩室【アリオス】
ケンタ、休憩室でソファーに腰掛け缶コーヒーを飲んでいる。
不意に、休憩室のステージ確認用モニタから何やらもめている音声が聞こえてくる。
ケンタの傍らを、スタッフがインカムで話しつつ駆け抜ける。

スタッフ「え、何ですか? はぁ? 1個繰順番繰り上がったんですよね。え、R来てるって? どういうことですか、とにかくすぐ向かいます」
ケンタ「アイツ……」


S-23B アリオス内 中劇場 舞台袖【アリオス】
中劇場舞台袖。
ヤスと、Rの次のバンドが揉めている。

次バンド「どういことだよ、次俺らだろ。お前らが出場辞退するっつーからよ」「てかお前誰?」「Rのベース?」
ヤス 「辞退? 誰がそんなこと言ったんだよ、知らねえな。俺は一人でも出るぞ」
次バンド「はぁ? ベース一人で何しようって言うわけ?」「なめてんじゃねえぞこの野郎」
ヤス 「ガタガタうるせえな」

ヤス、次バンドをスルーしステージへ向かおうとする。が次バンド、強引にヤスを掴み戻す。

ヤス 「何すんだよ! 通せよこの野郎!」

ヤス、次バンドに殴りかかる。
ケンタ、駆けつける。

ケンタ「おいヤス、何しようとしてるんだ。辞退の話は俺がした」
ヤス 「俺は一人でも出ますよ。あいつがひかりさんを待つって言うなら、俺はあかりを待つ」
ケンタ「気持ちはわかる。でもな、今のあかりがあの状態だったら―――」
ヤス 「俺、どうしたらいいかわかんないけど、コレ弾くことしかできないんすよ……。どうすればアイツを励ませるかわかんないんすよ…俺は間違ってますか、どうやったらアイツの支えになってやれますか」

ヤス、泣き崩れる。

ケンタ「(ヤスを抱きつつ)……わかった。ここは任せとけ。後から俺も行く」

ヤス、ケンタに背中を押され、ステージへ向かう。

次バンド「ちょ、待てよ!」「おいおいおいおいおい!!」

次バンドが追いかけようとするのをケンタが体を入れ込み遮る。

ケンタ「すみません、さっきの出場辞退の話、やっぱナシで」
バンド「Rのドラムさんかい」「おいおい! こちとらもうテンションMAXなんだよ! そうころころ変えられてたまるかっつーんだよ!」
ケンタ「本当にすみません」
バンド「すみませんで済んだらケーサツいらねーっつの!」「つーか聞いたけどさ、ボーカルいねえんだろ?」「待っててもしょうがねーじゃん」
ケンタ「うちのボーカルは、来ます。今回の件は全面的に俺らが悪いです。謝ります。すみません。でもお願いします。俺らに演奏させて下さい」

ケンタ土下座。

次バンド「な、なんだよ……。だっせえ、ださすぎるぜ! ロックじゃねえなぁ!」
ケンタ「これがうちの、ロックです」


S-23B アリオス内 中劇場 【アリオス】
客席のREIKAと7メンバー。
ステージにヤスが現れ、ベースソロで弾き始める。
7各メンバー「ベースだけ? どういうこと?」等困惑。
REIKA、おもむろに席を立つ。

7メンバー「どこ行くんすかREIKAさん!」


S-24 アリオス内 中劇場外の廊下【アリオス】
REIKA、携帯(スマホ)をいじる。
ボイスチェンジャーアプリを起動。

REIKA「(ボイスチェンジの周波数を調整しつつ)あーテステス、本日は晴天なり、晴天なり、山田って誰私はREIKA、あー、あー」

ボイスチェンジャーがひかりの声に合う。
REIKA、あかりに電話発信。


S-20C アリオス外 正面口【アリオス】
正面口で座り込んでいる茫然自失のあかりの携帯電話に着信。
あかり、携帯電話を取り出す。発信者名は『非通知』。あかり、電話受ける。

あかり「……お姉ちゃん?」
REIKA(ひかりN)「……よう、久しぶり。返事遅れてごめんな、お姉ちゃんだ。元気にしてるか?」
あかり「え……うん、今どこに、いるの?(やや不審がりつつ)」
REIKA(ひかりN)「ちょっと今日はわけあっていけなくなった。ごめんな。というか多分、これからアタシはライブには出られないだろう。だからあかり、お前が歌え。Rはお前に任せる。というかRはお前のバンドだ。アタシがいなくても大丈夫。お前はお前のやりたいことを自分の力でやるんだ」
あかり「でも、私」
REIKA(ひかりN)「ガタガタ言うんじゃないの。デブとガリとお客さんが待ってるよ。多分あのかわいくてイケてるREIKAもノリで協力してくれるだろう。早く行ってあげな」
あかり「そんなこと言っても、無理だよ……。帰ってきてよ!」
REIKA「いい加減にしろ!」

間。

REIKA「ここには、アンタを待ってる人が大勢いる。アンタを支えようとしてる人がいる。皆がお前を立ち上がらせようとしている。それはお節介か? 迷惑か? アンタはそれを余計なお世話だほっとけと一蹴してまた閉じこもるのか? お前がまた前に進めるのはいつだ、お前が」

↓同時に
REIKA「ひかり先輩の死を受け入れられるのはいつだ!」
ひかり「私の死を受け入れられるのはいつだ!」

あかり、号泣。

REIKA「さあ、立て」

あかり、よろけつつ立ち上がる。


S-25 アリオス内 エントランス~中劇場前【アリオス】
よろよろと中劇場へ歩みを進めるあかり。
あかりの電話口からは、アリオス中劇場内の音声。ドラム・ベースのみでイントロループ。

REIKA「お待たせしました、Rです。が、大変申し訳ないことにボーカルが少々遅れているようです。いや遅れているっていうか、ちょっと自信がないというか勇気が足りないというか、とにかくそんなわけなんで、どうか皆さん、彼女の背中を押してやってください。Rのファンの愛で、彼女を呼んであげて下さい。その声を、届けて下さい。ハイ、あ・か・り! あ・か・り!(もしくはラララ)」

ベースドラムに、REIKAのキーボード伴奏も追加。
観客歓声。「あ・か・り! あ・か・り!」(orラララ)

中劇場前。
あかり、電話を耳に当てながら会場へと向かう。
受付、止めようとするが、あかりをRのボーカルと気付きスルー。むしろ会場と一緒にコールしちゃう。
あかり、中劇場後ろの扉(観客出入り口)を開く。生音の客歓声が聞こえる。電話を耳から離す。


S-23C アリオス内 中劇場 【アリオス】
中劇場内。
会場後方の扉が開く。あかり登場。

REIKA「照明さん、後ろ」

観客、後ろのあかりに注目。あかりにスポットライトが当たる。
更に大きくなる客のコールor歌。

REIKA「リーダー、皆待ちわびてたよ。さあ、おいでよ」

あかり、ステージ上を見ると、ケンタヤスREIKAが演奏中。立ち尽くす。

ST管理人「あかりちゃん、君が作った歌だ。自分で唄うんだ。伝えるんだ」

管理人がギターを持ってきてあかりに渡し、そっと背中を押す。
あかり、ステージへとゆっくり歩みを進める。スポットライトフォロー。
客、あかりが通る通路両脇に集まり道を作る。
あかりが通りがかる客の声援数グループピックアップ。

おっかけ「俺達はひかりさんのファンでもあるけど、その前にRのファンですから!」
カメラマン「びびってんじゃねぇよ。ぼうけん、しようぜ」
他EXから2,3グループ励ましセリフ。
あかり、ステージ下へ。

REIKA「(手を差出し)上がってこいよ」

あかり、REIKAの手を取りステージに上がる。

あかり「電話、ありがとう」
REIKA「え、な、なにいってんの、ししししし知らないけど」

あかり、ボーカルポジションへ。REIKAはキーボードへ戻る。

REIKA「おかしい……何故バレた」

あかり、ケンタヤスと視線を交わす。
ケンタ、笑顔で迎える。ヤス「おせーよ」。
あかり客席を見渡す。客、コール中断。静寂。(EXの声ちらほらあってもいいかも「頑張って~!」等)

あかりN「これが、お姉ちゃんの見ていた世界……」

観客、あかりを注視。

あかりN「キーボードやってて、私はいつもお姉ちゃんの後ろに隠れるようにしてて―――バンドだけじゃない、いつもそうだ。いつもお姉ちゃんに守られて、くっついて……」
   
あかりがひかりの背中見ている系シーンインサート。
①高校時代。あかりの詩作ノートを同級生がからかう「ポエマーだポエマー!」。それをひかりが止める。助けられたあかり、ひかりの背中を見つめる。
②ライブシーン。歌っているひかりの、右斜め後ろ45度から見た背中。

あかり「私は、姉のように上手く歌えないかもしれませんが……聞いて……くれますか?(客肯定合いの手) 本当に、聞いてくれますか?(合いの手) 本当に、私で、いいんですか?!(合いの手)」

間。あかり一呼吸。目を閉じる。

あかりN「お姉ちゃん、私の歌、聞いてください。天国になんて行かないで、ずっとそばにいてください。いや、『ずっと』ってのはきついかもしれないから、ライブの時は、私が歌う時には、必ず聞きに来て下さい。
お姉ちゃんがいなくなって寂しくて、辛いけど、私には私を支えてくれる仲間がいます。辛いけど、幸せです。なんだかおかしいね」

メンバーを一人一人見渡しアイコンタクト後、あかり、客席をキッと見据える。

あかり「メンバー再編、新『R』!
気は優しくて力持ち、でも最近血圧が気になるの、痩せろ、ドラム、ケンタ!(ケンタソロ少々&客歓声)
ダークサイドかつハートウォーミングなその生き様はまさに日陰に咲いた向日葵か、ベース、ヤス!(ヤスソロ少々&客歓声)
そしてキーボードはニューフェイス、IWAKI 7 HAMA EYE LIGHTからの刺客は激情の女、山田って誰? その名もREIKA!(REIKAソロ少々&歓声「山田~!」)
そしてボーカル兼ギターは、私あかりでお送りします。(一際大きい歓声)
……OK。ロマンティックに、ロックします。『R』」

あかり、歌いだす。♪書き下ろし曲 by ノブさん
ライブ風景のままエンドクレジット。


S-25 あかり宅跡&海岸【薄磯】
前シーンのライブの曲途中から、流されたあかり宅及び海岸でのPV風シーンへ移行。
海へ向かって歌うあかり。



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【映画祭】『R』脚本4稿公開

最近映画系の記事を書こうとすると、
このブログか、いわきぼうけん映画祭のブログか、
どっちに書けばいいのか悩んでしまうKAZAMIです。

今製作中の『R』は、うちの『自主映画制作団体アトリエカザミ』製作作品ではなく、
『いわきぼうけん映画祭実行委員』製作作品で、
それの監督を私がやらせてもらうということで、
じゃあ映画祭のブログに書けよ!ってなわけなんでしょうが、
映画祭の方のブログが長文投稿できなくてですねぇ、
こっちに載せちゃいました。

で、なんで脚本公開すんの?
という話ですが、今回は実行委員製作作品と言いながらも、
一般のお客さんを巻き込んで(出演してもらって)映画を作りたい、
という企画での自主映画制作なのです。
この作品つくるところからもう映画祭(来年2月)のイベントは始まっている、
ということです。

で脚本は現在4稿をアップしましたが、
これから出演者の募集をかけたりロケするにあたり、
「あーこのシーン撮るのね~」
「あのシーンはこうなるのか~ふーん」
みたいな一般の方のレスポンスを期待するわけです。
一言で言ってしまうと、一般の方々とこの映画の製作過程を共有したいってなわけです。

企画について詳しくは<こちら>

あ、オーディション一回目昨日終わりました。
これから続々メインキャスト決めていきます。

<脚本4稿はこちらから>

【映画祭】『R』第4稿(3/3)

S-21    アリオス内 中劇場舞台袖【アリオス】
   舞台袖で待機するケンタ・ヤス。
   Rの前のプログラムのバンド演奏中。

スタッフ「あ、R次です。スタンバイお願いします」
ケンタ「あ、はい」

   スタッフ慌しく去る。

ケンタ「あかりまだ来ないのか」
ヤス 「やっぱりまだ早かったか……」
ケンタ「俺が呼びに行って―――」
REIKA「アタシが代わりに歌ってやろうか」

   REIKAが割って入る。

ケンタ「おおぅ……いやダメだ。今お前にボーカル任せたら、それはそれで今日のライブはなんとかこなせるかもしれない。でもそれじゃ、ダメなんだ」
ヤス 「今のRのボーカルは、あかりなんだ。あかりじゃなきゃ、アイツが立ち直らなきゃダメなんだよ」
REIKA「ですよねー。ほんと結束固くて嫌になっちゃう。あーあ、またフラれるのか。……しょうがないな、アタシが連れてきてやるよ」
ケンタ「え、お前はまあ多分きっと悪い奴ではないとは思うんだけど大丈夫なの?」
REIKA「私に任せなさい」
ヤス 「早くしないと始まっちまうぜ」
REIKA「そん時はドラムベースセッションなり震災のお涙頂戴系のポエム朗読なり漫才なりでもしてなんとか繋いでなさい」
ケンタ「え、あ、うん……おい!」

REIKA去る。
   顔を見合わせるケンタ・ヤス。


S-20B    アリオス 外 エントランス【アリオス】
   エントランスでしゃがみこんでいるあかり。
   REIKA、隣に立つ。

REIKA「もうすぐ出番だけど。いつまでそうしてるつもりなの」

   あかり、泣き出す。

あかり「やっぱり私には無理だよ……。お姉ちゃんの代わりになんてなれないよ。お姉ちゃんはカリスマ性というかアイドル性というか、そういうのがあって、誰からも好かれるし、社交的だし、明るくて元気だし、それに比べて私は―――」
REIKA「(あかりの胸倉を掴んで)いい加減にしろ!」

   間。REIKA、手を離す。

REIKA「私、Rに入れてもらいたくてひかり先輩に頼み込んでフラれたんだよ。何でか知ってる?」


S-22    回想 道【いわき駅 ペデストリアンデッキ】
ひかりとREIKAが向き合っている。ひかりからやや離れて後ろにあかり。

REIKA「先輩、私をバンドに入れて下さい! 先輩と一緒にやりたいんです!」(ずり上げ)
ひかり「あ~、キーボードだよね。キーボードは既にエースがいるからなぁ。あの子、ああ見えて結構やるでしょ」
REIKA「私、あかりより上手くやります! お願いします!」
ひかり「ていうかねぇ栄子ちゃん、それを私に言うのはちょっと違うかな~って。私ボーカルやってるしこんな性格だからリーダーっぽく見えるかもしれないけどさ、Rは私のバンドじゃないんだよね。曲も詞も全部あかりが書いてるでしょ? あの子そういうのは昔から好きでさ、私にスコアと新品のギター持ってきて言ったのよ、『お姉ちゃん、これ歌って』って。それがRの始まり」
【回想】あかり、作詞ノートを同級生に見つかりからかわれる→あかり、ひかりにギターと楽譜渡す。
REIKA「!!」
ひかり「びっくりだよねそりゃ。あんな大人しい子がこんな激しいエモーションを内に秘めてたなんてさ。でもまだ自分で歌う勇気はないから、私に歌って、ってね。まあ私はただのカラオケ好きの目立ちたがり屋だから、ボーカルやるのなんて苦でもなんでもないんだけどさ。いつかあの子が、自分で作った曲で、自分の思いを、自分で歌える日が来たらいいな」

   回想終わり。


S-20C    アリオス 外 エントランス【アリオス】
REIKA「私はひかり先輩の一番のファンだと思ってる。ひかり先輩のことを尊敬してるし、大好きだ。Rはひかり先輩あってのRだと思ってる。でも、ひかり先輩が認めるアンタのことも嫌いってほどでもない。
Rのボーカルを務められるのはひかり先輩か、ひかり先輩が認めたアンタか、アタシか、のどれかだけど、アタシはさっきデブとガリにフラれたから残念だけど早々に除外。残るのは誰。
ひかり先輩の望みは何。アンタのしたいことは何」

   REIKA、去る。


S-23    アリオス内 廊下【アリオス】
   携帯をいじりながら(メール作成)中劇場へと向かうREIKA。
   REIKAを探していた7メンバー、REIKAを見つけ駆け寄る。

7ドラム「REIKAさんどこ行ってたんすか! 電話出ねーし! メールもしましたけど届かないで返ってきましたよ!」
REIKA「(歩みを止めず)あぁ、アドレス変えたから」
7ドラム「どこ行くんすか!」
REIKA「まだやることがあるの。もう一押し」

REIKA、メールを打ち終え送信。


S-20D    アリオス 外 エントランス【アリオス】
   あかりの携帯にメール着信。
   送信者名は『おねえちゃん』。
   慌てて携帯を開く。

メール本文『(ひかりNから途中でREIKANに)よう、久しぶり。返事遅れてごめんな、お姉ちゃんだ。元気にしてるか? ちょっと今日はわけあっていけなくなった。というか多分、これからアタシはRのライブには出られないだろう。だからあかり、お前が歌え。Rはお前に任せる。というかRはお前のバンドだ。アタシがいなくても大丈夫。お前はお前のやりたいことを自分の力でやるんだ。
さあ、もう泣くのはおよし。デブとガリとお客さんが待ってるよ。多分あのかわいくてイケてるREIKAもノリで協力してくれるだろう。早く行ってあげな』
(※要推敲)「言ってみればあかりのいないRなんて~~」の比喩が欲しい

   あかり、泣き笑い。

あかり「お姉ちゃんそんな文章打たないし……」

   あかりの携帯に電話着信。番号は090~で発信者名は出ず。
   あかり電話受ける。会場の歓声が聞こえてくる。
   
   以下あかりの電話口からの音声。

   アリオス中劇場内の音声。ドラム・ベースのみでイントロループ。

REIKA「お待たせしました、Rです。が、大変申し訳ないことにボーカルが少々遅れているようです。いや遅れているっていうか、ちょっと自信がないというか勇気が足りないというか、とにかくそんなわけなんで、どうか皆さん、彼女の背中を押してやってください。Rのファンの愛で、彼女を呼んであげて下さい。その声を、届けて下さい」

   観客歓声。
   「あ・か・り! あ・か・り!」もしくはRの歌歌ってるか。あるいはREIKAがあかりに歌を贈る。

   あかり、立ち上がり会場へと歩き出す。


S-24    アリオス内 中劇場【アリオス】
   中劇場前。
   あかり、電話を耳に当てながら会場へと向かう。
   受付、止めようとするが、あかりをRのボーカルと気付きスルー。むしろ会場と一緒にコールしちゃう。
   あかり、中劇場後ろの扉(観客出入り口)を開く。生音の客歓声が聞こえる。電話を耳から離す。

   中劇場内。
   会場後方の扉が開く。あかり登場。

REIKA「照明さん、後ろ」

   観客、後ろのあかりに注目。あかりにスポットライトが当たる。
   更に大きくなる客のコールor歌。

REIKA「リーダー、皆待ちわびてたよ。さあ、おいでよ」
ケンタ「(ステージ上から)お前はひかりの『代わり』とかじゃねーんだよ。ひかりが逝っちまったことなんて言わなくても皆知ってんだよ。ここにいるお客はお前の歌を聞きに来てるんだよ」
ヤス 「お前がボーカルを務めることでひかりがいなかったことになんてならない。誰もひかりを忘れやしない。むしろお前が今歌ってRを存続させることこそが、アイツを忘れさせずにいられるってもんだ」

   あかり、ステージへとゆっくり歩みを進める。スポットライトフォロー。
   客、あかりが通る通路両脇に集まり道を作る。
   あかりが通りがかる客の声援数グループピックアップ。

おっかけ「俺達はひかりさんのファンでもあるけど、その前にRのファンですから!」
ST管理人「あかりちゃん、何の為に歌を作る。今歌わなくていつ歌う。頑張れ」
カメラマン「びびってんじゃねぇよ。ぼうけん、しようぜ」
   他EXから2,3グループ励ましセリフ。

REIKA「ここには、アンタを待ってる人が大勢いる。アンタを支えようとしてる人がいる。皆がお前を立ち上がらせようとしている。それはお節介か? 迷惑か? アンタはそれを余計なお世話だほっとけと一蹴してまた閉じこもるのか? お前がまた前に進めるのはいつだ、ひかり先輩の死を受け入れられるのはいつだ、一年後か、十年後か。……それが今この場で、ってのはどうだ。あとは肝心のアンタ次第だ」

   更にあかりが通りがかる客の声援数グループピックアップ。
   あかり、ステージ下へ。

REIKA「(手を差出し)上がってこいよ」

   あかり、REIKAの手を取りステージに上がる。

あかり「メールありがとう」
REIKA「え、な、なにいってんの、ししししし知らないけど」

   あかり、ボーカルポジションへ。REIKAはキーボードへ。

REIKA「おかしい……何故バレた」

   あかり客席を見渡す。客、コール中断。静寂。(EXの声ちらほらあってもいいかも「頑張って~!」等)

あかりN「これが、お姉ちゃんの見ていた世界……」

   観客、あかりを注視。

あかりN「キーボードやってて、私はいつもお姉ちゃんの後ろに隠れるようにしてて―――バンドだけじゃない、いつもそうだ。いつもお姉ちゃんに守られて、くっついて……」
   
あかりがひかりの背中見ている系シーンインサート。
① 高校時代。あかりの詩作ノートを同級生がからかう「ポエマーだポエマー!」。それをひかりが止める。助けられたあかり、ひかりの背中を見つめる。
② ライブシーン。歌っているひかりの、右斜め後ろ45度から見た背中。
③ 津波時の去り際、ひかりが家にギターをとりに走っていく後姿。


あかり「私は、姉のように上手く歌えないかもしれませんが……聞いてくれますか?(客肯定合いの手) 本当に聞いてくれますか?(合いの手) 本当に、私で、いいんですか?!(合いの手)」

   間。あかり一呼吸。
メンバーを一人一人見渡しアイコンタクト後、目を閉じる。

あかりN「お姉ちゃん、私の歌、聞いてください。天国になんて行かないで、ずっとそばにいてください。いや、『ずっと』ってのはきついかもしれないから、ライブの時は、私が歌う時には、必ず聞きに来て下さい」

   あかり、客席をキッと見据える。

あかり「メンバー再編、新『R』!
気は優しくて力持ち、でも最近血圧が気になるの、痩せろ、ドラム、ケンタ!(ケンタソロ少々&客歓声)
ダークサイドかつハートウォーミングなその生き様はまさに日陰に咲いた向日葵か、ベース、ヤス!(ヤスソロ少々&客歓声)
そしてキーボードはニューフェイス、IWAKI 7 HAMA EYE LIGHTからの刺客は激情の女、山田って誰? その名もREIKA!(REIKAソロ少々&歓声「山田~!」)
そしてボーカル兼ギターは、私あかりでお送りします。(一際大きい歓声)
……OK。ロマンティックに、ロックします。『R』」

   あかり、歌いだす。
   【暫定】♪”wild flower” superfly  ※出演者の持ち歌で適当なものがあればそれor書き下ろし
   ライブ風景のままエンドクレジット。


S-25    あかり宅跡&海岸【薄磯】
   前シーンのライブの曲途中から、流されたあかり宅及び海岸でのPV風シーンへ移行。
   
   海へ向かって歌うあかり。



【映画祭】『R』第4稿(2/3)

S-10    漁港【小名浜港】
   ヤス、ガテン系のバイトから帰宅途中、港に寄る。
ヤス父が船の整備をしている。ヤス、船に乗り込む。

ヤス 「大分ガレキも片付いてきたね」
ヤス父「おう、お疲れ」
ヤス 「いつになったら漁出られんの?」
ヤス父「あー、カツオの水揚げがもうそろそろ始まるらしいな」
ヤス 「売れんの?」
ヤス父「どうだろうなぁ……例えばだな、北海道の襟裳沖で獲ったカツオを、小名浜で揚げようが銚子――千葉な――で揚げようが、モノは一緒なわけよ。でも水揚げされた港によって福島産・千葉産とか産地の名前が付いちまう。『福島産』の名前がついちまったら、まだ売れねえかもなぁ。
外の人間からすりゃ、いわきで水揚げした魚を全国で売り出すなんて毒を撒いてるようなもんだ、なんて批判もあるけどな。まあそう恐れるのも無理はないか」

   間。

ヤス 「今俺が『頑張れ』って言ったらどう感じる?」
ヤス父「そりゃ頑張るさ。何でだ?」
ヤス 「いやさ、『頑張れ』と言われて、頑張れる奴と頑張れない奴がいるじゃん。正確に言うと、その言葉を素直に受け取れる奴と受け取れない奴がいるじゃん。
頑張ってる奴ってのは大抵外から何も言われなくても既に頑張ってるのが多い気がするんだけどさ、頑張れないどん底の状態の奴に頑張れと言ったところでその言葉は宙に浮き意味を成さず、むしろ煙たがれる或いは更なるプレッシャーにさえなりうる。そういう奴に、俺は何て言えばいいのかなと」
ヤス父「あー……あれか、おめぇの歌謡曲グループの歌い手の子のことか」
ヤス 「の妹な」
ヤス父「あれだ、音楽で繋がってるお前がその子を支えてやれる方法っつったら、そりゃ音楽ぐらいだろ。エレキギターでベンベン鳴らしてやるしかねえだろ。
お前大学辞めるとかこの前言ったよな。それと歌謡曲の練習も最近行ってないみたいだけどよ、辞めるなよ」
ヤス 「……」


S-10.5    大学 構内食堂?【明星大学】
   7メンバーがたむろっている。7ドラムがそこへ駆けてきて合流。

7ギター「見つかった?」
7ドラム「いや、いないな。どこ行っちまったんだよまったく」
7ベース「電話もダメだ。最近つかまんないよね」

   不意にピアノが聞こえてくる。

7全員 「こ、これは……!!」
7ドラム「岩壁に打ちつける荒波の如きダイナミックな響き!」
7ベース「かと思えば皐月の高原を吹き抜ける風のように果てしなく爽快でクリア!」
7ギター「彼女の手にかかればピアノはもはや打楽器!!」

   7メンバー、走り出す。


S-10.7    大学 音楽室【明星大学】
REIKA、音楽室で一人ピアノで激しい曲を弾いている。
   そこへ7メンバーが駆けつける。
   7ギターが声を掛けようとするが、ドラムが制止する。7メンバーら、入り口から見守る。

7ドラム「REIKAさん、ひかり先輩の大ファンだったからなぁ。目標を失って茫然自失って感じなのかね」
7ベース「しかし、なんであんなにあかりちゃんにキツイんだろうね」
7ギター「そりゃひかり先輩の可愛がってた妹だし、ジェラシー?」

REIKA、まだ弾いている。
(回想入れるか? ひかりにフラれるシーン繋がりで「なんかあったらあの子のこと頼むよ」)
REIKA、曲を弾き終える。席を立ち、音楽室入り口の7メンバーに気付く。メンバーを通り過ぎ廊下へ。立ち止まる。

REIKA「アタシたちはあの地震で全員無事だったし、深刻な被害もなく全員揃っている。かと思えばすぐ傍には身内を亡くしたり家を失くしたりしている奴がいる。私は幸せなんだろうか。不幸せなんだろうか」
7ギター「突然何言って―――泣いて……るんですか?」
7ドラム「知ってます!砂埃が目に入ったんですよね!」
7ベース「あるいはコンタクトがずれた!」
7ギター「デリケートなREIKAさんのことですから季節外れの花粉症の可能性も!」
REIKA「よくわかってる。……やっぱりアタシはアンタ達がいて幸せだ。でも、今アタシはそれを喜べない。幸せだからこそ悲しい」

   REIKA、足早に去る。


S-11A    あかり宅跡【薄磯】
   流された家跡に佇むあかり。ひかりへの花束・手紙・プレゼント等が既に大量に供えられている。
   あかり、携帯でひかりに電話をかける。『お客様の電話は都合により―――』アナウンス。

おっかけ「あ、ここじゃね?」「あ、そうだね。いっぱいお供え物あるし」

   あかりの背後に、不意にRのおっかけファン二人組が現れる。
   おっかけ二人、あかりの様子を伺いながらもおずおずと花を供える。
   帰り際、あかりをRのキーボード担当と気付く。

おっかけA「あれ……もしかしてキーボードのあかりさん……ですよね?」
おっかけB「俺達、ひかりさんのめっちゃファンなんです! ライブも毎回行ってます! 今回のことは本当になんと言ったらいいか……」
おっかけA「Rはどうなっちゃうんですか?」
おっかけB「ひかりさんの代わりなんてそうそういないだろうし……」
あかり「帰ってください」
おっかけAB「え」
あかり「帰ってください」

   おっかけ、やや呆然として帰る。
   あかり、おっかけが帰ってからバラード一曲歌い始める。アカペラからOLでオケBGM MIX。
   

S-12   回想【】
・ A ライブハウス【SONIC】 バンドをまとめるひかり。
・ B 海岸【勿来海岸?】 あかりとひかり、海辺でハモリの練習
・ C あかり宅【】 あかりの作った詞をひかりが読んで色々推敲
・ D あかり宅【】 あかり、指を怪我する。ひかり、超大げさに治療。
・ E 裏路地【白銀】 ヤンキーに絡まれるあかりをひかりが救出。『姉の背中』見てる感
・ F ライブハウス【SONIC】 ライブ中、歌ってるひかりの後姿を斜め左後ろ45度から見つめるあかり
・ G いわき駅前【ペデストリアンデッキ】 地震後、あかりからひかりに電話。最期の言葉を交わす、が欲しい。要推敲


S-11B    あかり宅跡【薄磯】
   あかり、歌い終え、おっかけが供えた花を凝視後、蹴散らす。
   大の字に寝転び空を仰ぐ。
   

S-13   音楽スタジオ【スタジオ昭和】
   季節感のある実景少々。夏。
ST予定表、あかりのバンドの予約はない。鳴らない電話。暇そうな管理人。節電。暑そう。
   原発・余震関連のニュース映像(ラジオ音声でもいいか)。


S-14   学校【明星大学】
   学校・教室。出席をとる。あかりはいない。


S-15    あかり自室 仮設住宅【】
   あかり自室。ベッドに寝転んでいるあかりにあかり母が封書を2通持ってくる。

母  「これ。あんたが持っておいた方がいいだろうね」

   あかり、のっそりと受け取る。
封書の宛名は『R 日野ひかり様』・『R 日野あかり様』。差出人は『いわき街中コンサート実行委員会』。 
   あかり、慌てて中身を確認。

   S-15A ケンタ自室、封書の中身確認。

ケンタ「街コン」

   S-15B ヤス自室、封書の中身確認。

ヤス 「やるのか」


S-18    各家【】
   あかり、仮設住宅前、ケンタ・ヤス各自室、で電話。

ケンタ「街コンの案内、届いてるよな。出ようぜ」
あかり「でも、お姉ちゃんが……」
ヤス 「その『お姉ちゃん』がライブの予定入れちまったんだから仕方ねぇ。やるしかねえだろ」
ケンタ「ギリギリまで待とう。とにかく、ひかりが戻ることを前提に、出場する方向でいこう」
あかり「……うん」
ヤス 「一つだけ約束しろ。ひかりが間に合わなかったら、あかり、お前が歌え」
あかり「……わかった」


S-16    実景もろもろ 復興の様子【】
   ラジオN『徐々に人戻ってきてます。徐々に復興してますがんばってます。市職員の臨時増員で雇用確保とかもしてます。ハワイアンとかアクアマリンとかも続々リニューアルオープンしてます』的内容。

ライブハウス前。街コンポスター『街コンやります!』的。
大学中教室でで出欠とり。徐々に人戻ってきてる「山田~」「山田って誰。私はREIKA」
   復興祭映像。
   アクアマリン再オープン。
   ららみゅう再オープン。
   ハワイアンズ再オープン。
   ケンタ、避難先の家を出る。電車内で手で膝を叩いてリズムとっちゃったり。
   ヤス、自室で楽譜を引っ張り出し、自主トレ。ヤスの部屋にはライブの写真や『R』ポスターとか大量に貼ってあったり。


S-17    音楽ST【スタジオ昭和】
   電話鳴る、管理人とる。

ST管理人「久しぶり……うん、火曜日19時からね、OK」

   管理人、スケジュール表に『R』を書き込む。


S-17.5    仮設住宅【】

   あかり、仮設住宅前に佇んでいる。携帯でひかりにメールを打つ。
   暗転。

ラジオN「福島海上保安部が、○月○日、津波遭難者の捜索の打ち切りを発表しました」(入れどころ推敲)


S-19    いわき駅前【いわき駅前】
   各会場での街コンの様子実景。
   ラジオ番組音声『今日はいよいよ街コンですね~、出場バンドは○○組、いわき駅前の各会場で―――』


S-20A    アリオス 外 エントランス【アリオス】
   アリオス外観。
   正面口、『街コン○会場』看板。
   エントランスでひかりを待つあかり・ケンタ・ヤス。
   そこへライブ本番衣装のREIKAら7メンバーが通りがかる。

REIKA「やっぱり、出るのね。……誰が歌うの」
ケンタ「ひかり」
REIKA「……来なかったら」
ヤス 「あかり」
REIKA「……」

マチコンスタッフがやって来る。
   
スタッフ「あ、いた、いわき七浜と…それとRの皆さんも。受付済ませて楽屋スタンバイして頂いてよろしいですか?」

   スタッフ慌しく去り、REIKAらもアリオス中へ。

ケンタ「先に、行ってるぜ」

ヤス 「約束、守れよな」

   ケンタ・ヤスもそれに続く。
   取り残されるあかり、携帯電話を取り出す。着信・メールともにナシ。
行き交う通行者を見る。

通行人EX「○会場って小劇場だっけ? 中?」「七浜とRには間に合ったな」「あ、Rのボーカル、流されたらしいぜ」「え、流されたって、マジで?」「誰が歌うんだろうな」


<続きはこちら>

【映画祭】『R』第4稿(1/3)

R 第4稿(4/24)

■登場人物
あかり(19)…いわきのそこそこ人気ロックバンド『R』のキーボード担当。内気。
ひかり(20~25)…あかりの姉。『R』のボーカル兼ギター兼リーダー。311震災津波で行方不明に。
ケンタ(20~25)…『R』のドラム。
ヤス (20~25)…『R』のベース。
REIKA(19)…『R』をライバル視するいわきのバンド『IWAKI 7HAMA EYE LIGHT』のボーカル。本名、山田栄子。
管理人…『R』御用達の練習スタジオ管理人。


■舞台設定
2011年5月~10月 いわき

■テーマ
亡くした人や風景・震災の被害やらつらい現状から目を逸らさず、受け入れ、越えろ。そして超えろ。主人公あかり、自立しろ。







S-0    ライブハウス【SONIC】
■あかり、ひかり、ケンタ、ヤス、EX20~50 ■ライブセット一式
※ S-1の各所にS-0をインサート。
※ 【要推敲】客がここでラストの歌を歌うか否か
   『R』ライブの一幕。
   会場内に響く『R』コール。(『ひかり』コール?)
   ステージ上のひかり・あかり・ケンタ・ヤス。

ひかり「(やや息上がり気味で)ありがとう。皆、まだまだ遊び足りない少年のようなキラッキラした目してるね、いいね好きだよ。じゃあもう一曲くらい歌っちゃおっかな~、どうしよっかな~」

   更に大きくなる『R』コール。

ひかり「OK……(以下メンバー紹介)それは歩く戦車か戦艦か、あるいはタダのデブか、全体重を乗せて今奏でる怒涛の打撃音、ドラム、ケンタ~!(ケンタソロ少々)
影は薄いがそういうダークサイドな雰囲気がステキに無口なナルシスト、ベース、ヤス~!(ヤスソロ少々)
そしてそして、うちのかわいいミステリアスインテリジェンスプリティーキュートで、えーと、とにかくかわいい、キーボード、あかり~~~!(あかりソロ少々)
    そして、ボーカル兼ギターは私ひかりで、本日最後の曲、行くぞ~!(客合いの手) 行っちゃうぞ~!(客合いの手) 本当にいいのか~?(客合いの手)
    OK。ロマンティックにロックしよう、R」
(体で『R』やりたいけど相当ギャグに)
S-1    ガレキ集積所【錦須賀or豊間】
■あかり ■壊れたギター
   ガレキの山の中を歩くあかり。
   ガレキの中から何かを探している。
   ガレキの山の頂上で壊れたギターを見つけ、手に取る。

タイトル『R』


S-2    音楽スタジオ ハコ内【スタジオ昭和】
   あかり、ケンタ、ヤス、スタジオ内でバンド練習風景。
   曲終わる。
   間。

ヤス 「やっぱりボーカルなしだとちょっとな」
あかり「……帰ってくるもん」
ケンタ「気持ちは……わかるけどさ、でももう5月だぞ? あれから2ヶ月経ってるんだぞ?」
あかり「お姉ちゃんは帰ってくる。お姉ちゃんが帰ってきたときに、なまってないようにちゃんと練習しておかなきゃ」
ヤス 「俺は、続けるなら新しいボーカル探した方がいいと思うけど。あ、あかり、お前やれば」
ケンタ「おいヤスなんでお前はそう―――」
あかり「私には無理、お姉ちゃんの代わりになんてなれない」
ヤス 「じゃあ誰か他の―――」
あかり「駄目! お姉ちゃんの代わりになれるボーカルなんていない」
ケンタ「そりゃひかりは最高のボーカルだと思うよ。俺がこのバンドに入ったのだって、ボーカルがひかりだからだし。俺だってお前と同じ気持ちだよ。でも……どうしようもないじゃん」
あかり「違う、そうじゃない! 私は待つ。お姉ちゃんは絶対帰ってくる」
ヤス 「埒があかねぇな。まあ現状ライブの予定はないから、今すぐどうこうって話じゃないけどよ」

   間。

ヤス 「俺バイトあるから帰るぜ」

   ヤス帰る。

ケンタ「……練習再開にはちょっと早かったな。ヤスも家のことで色々大変らしいから気が立ってるんだよ。もう少し落ち着いてから考えようか」
   
ケンタ帰る。
   と思いきやケンタ振り返る。

ケンタ「俺は……ひかりの跡を継げるのはお前しかいないと思うけどな」

   ケンタ帰る。
   取り残されるあかり。


S-3A    音楽スタジオ ホール【スタジオ昭和】
   ハコの外。休憩スペース。
あかり、溜息つきつつハコから出てくる。

ST管理人「大丈夫……?」
あかり「解散の危機、ってやつでしょうか」

   あかり、物販コーナーにおいてあるRのCDを手に取る。
   凛々しいひかりをメインにしたCDジャケット(自主制作CD風に)。

あかり「こんなときお姉ちゃんなら何て言ったと思います?」
ST管理人「『わかる! 私には痛いほどわかるよ! 大変だ、そりゃみんな大変だよ! でもだからこそ今歌うしかないんだよ! 何のために音楽やってんだよ、今歌わなくて、いつ歌うんだよ!』……とか?」
あかり「言いそう(笑)」

あかり、テーブルに着き、ふと掲示板を見やる。街コンのポスターが目に付く。

ポスター『いわき街中コンサート2011 10月○日・△日開催』


S-4    街コン会場各所(回想)【いわき駅前各所、アリオス】
   実際の2012街コン映像(もしくは過去素材があれば)。
   いわき駅前の各会場でコンサートが行われている様子。

あかりN「いわき街中コンサート―――街コン。いわき駅前の至る所にステージが設置さ           れ、アマチュアからプロまで、ソロからバンド・部活動まで、ジャンルもロックに               フォーク、ゴスペルに和太鼓まで、計100組を超えるミュージシャン達が集う、街を挙げた音楽の祭典。いわき中が音楽一色になる二日間」


S-3B    音楽スタジオ ホール【スタジオ昭和】
   回想戻り。
   街コンポスターを見つめるあかり。

スタジオ管理人「今年はやるのかなぁ。まだ駅前の復旧工事も終わってないし、また来年になっちゃうかなぁ。
ひかりちゃん、街コン好きだったよね。どのライブハウスよりも好きだって言ってたね」
あかり「街コンは特別なんです。ライブハウスは基本的に、聴きに来るべくして聴きに来るお客さんしか来てくれませんけど、街コンは通りがかる人全てがお客さんになりうるから、って」※『街コン出場は姉の夢』アピールもっとするべきか
ST管理人「なるほどねぇ、挑戦的でいいね。ひかりちゃんらしいや」
あかり「来週、大丈夫ですか」
ST管理人「大丈夫だよ、ガラッガラだからいつでも」
あかり「じゃあお願いします」

   ST管理人、翌週のスケジュール表に『R』記入。他スケジュールはガラガラ。『IWAKI 7 HAMA EYE LIGHT(以下「7」と表記)』のみちょこちょこ入っている。
  

S-5    学校 教室【いわき明星大学】
   学校外観。
中教室内で出席をとる教師。

教師 「根岸~…野木坂~…羽田~…日野~…フジ――」
あかり「あ、はい。日野、います」
教師 「おう、日野いるな。(教室を見渡し)……というかいるヤツ名前言ってもらったほうが早いな。はい窓際から」

教室内、ガラガラ。


S-6   学校 食堂【いわき明星大学】
   ガラガラの食堂で一人昼食をとるあかり。月見うどん。
   周囲の会話が耳に入る。

学生 「避難すんの?どこに?」「新潟かな。親戚がいるから」
学生 「放射線やばくね?」「でも落ち着いてきてるじゃん」「って言ったってまたいつ再臨界するか」「ただちに影響ないらしいじゃん?」「じゃあそのうち影響あるじゃん」
学生 「東電ボーナス出るんだって、80万」「うちの親父失業したんだけど。死んでいいよね」
学生 「学校って一時休学とかできんの? 学費返ってくんの?」「さすがにそういうのなんかあるんじゃね? あとで学生課いってみっぺ」
体育会サークル学生「夏の大会どうなんのかねぇ」「中止に決まってるじゃん」「えぇぇえまじかよ、俺の青春が」「残念だけど今はそれどころじゃねーっしょ」
REIKA「バンド、どうすんの」
   
不意にあかりの傍にREIKAと7メンバーが通りがかる。

あかり「山田さん……」
REIKA「山田って誰。私はREIKA。
……で、バンド続けるのどうするの? Rはひかり先輩あってのバンドだし、正直ドラムもベースも人並みだわ。勿論キーボードも然り」
7ドラム「REIKAさん、ひかりさんのことはまだちょっと今は……」
REIKA「(無視して)そんな状態で続けられるとは到底思えないけど、まあひかり先輩のいないRなんて、卵の入っていない月見うどんみたいなもんね」

   REIKA去る。7メンバー後を追う。
   あかり、うどんを見つめる。


S-7    音楽スタジオ ハコ内【スタジオ昭和】
   外観。満月。
ハコ内にあかり一人。待ちぼうけ。
   時計が19時になる。
   あかり、キーボードを弾き始める。が少し演奏したところでギターに持ち替え、荒々しく弾き散らす。
   携帯にケンタからの着信。あかり、気付かず。


S-9    ケンタ宅(実家一戸建て)【】
   2トントラックでケンタの引越し作業。終わりかけ。
   ケンタ・ケンタ両親に、友人2,3名とあかり・ST管理人も手伝っている。
ケンタの弟(中学生)・妹(小学生)も。
   最後の荷物を積み終え、ケンタがトラックの荷台の扉を閉める。

ケンタ「急に悪いな、助かったよ、ありがとな。店長まで一緒に手伝ってもらっちゃって、本当にすみません」
あかり「いいよ別に」
ST管理人「暇だし全然オッケー。たまには身体動かさないとね」

   ST管理人、タバコ吸いにその場を離れる。

ケンタ「……ごめんな。俺だけこっちに残ってもよかったんだけど」
あかり「しょうがないよ。子供の方が影響大きいっていうし。ちいちゃん(ケンタ妹)もう6歳になったんだっけ?」
ケンタ「うん、今年から小学校」
あかり「でもタイミングが良かったね、この時期だとまだクラスに馴染むのにも多少はラクだろうし」
ケンタ「でも福島から転校してきた子供がいじめに遭った、なんてニュースも見たし、ちょっと怖いな。どこだっけ、新潟の話だっけかな」
あかり「お兄ちゃんだもん、守ってあげないとね」
ケンタ「だな」

   ケンタ父・母、自家用車に乗り込む。

ケンタ父「(あかりらに)いや~皆さんありがとうございました。(ケンタに向いて)おい、そろそろ出るぞ~」
ケンタ「あいよ。じゃあそろそろ俺も」
あかり「……戻ってくる?」
ケンタ「落ち着いたら、な」
あかり「いつになるかな」
ケンタ「いつかな……。じゃ、なんかあったら連絡くれな」

   ケンタ、トラックに乗り去る。

あかり「行っちゃった……。なんで私、ここに残ってるんだろう」
ST管理人「まー放射線やら余震の心配やら色々あるけどさぁ。なんだかんだで、この場所に固執する何かがあるんでしょ? 郷土愛とか友達とか仕事とか……あかりちゃんの場合は?」

   トラック車内。トラックのサイドミラーに映る、取り残されるあかり。

ケンタ妹N「ねーねー、いいの? お兄ちゃん、太鼓どうするの? やめちゃうの?」
ケンタN「やめないよ。やめるわけがない。絶対、戻ってくるからな」


<続きはこちら>

近況

いわき市『非』公認のご当地ヒーロー映画『磐城七浜 ワダツミセブン』第4話制作開始。(2017年1月)

プロフィール

KAZAMI/羽賀慎一郎

Author:KAZAMI/羽賀慎一郎
風見映像スタジオ代表。
いわき市非公認ご当地ヒーロー映画『磐城七浜ワダツミセブン』監督・脚本・編集・プロデューサー。

福島いわきを拠点とし、市民参加型映画製作をしています。
人の生理に訴えかけられるような作品づくりが目標です。作品を通して、観て頂いた方々に、正のものであれ負のものであれ、何らかのEMOTIONを喚起できれば幸いです。

■いわき市非公認ヒーロー映画「磐城七浜ワダツミセブン」過去作品動画まとめページは<こちら>
ワダツミセブン公式サイトは<こちら>

■第2回いわきぼうけん映画祭実行委員会製作作品『R』、2013年2月完成。
まとめページは<こちら>

■2011年製作 自主映画『白薔薇が紅に染まるまで』まとめページは<こちら>
動画まとめページは<こちら>

■風見映像スタジオは『いわきぼうけん映画祭』を熱烈に応援しています。
<いわきぼうけん映画祭公式サイト>

■香盤表・ロケスケのテンプレのダウンロードは<こちら>

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