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【シネプ】自主映画をつくろう 第2・3回

いわきの映画情報フリーペーパー、『アリオス・シネマプレス』第3号が発刊されました。
年末特大号(?!)ということで、普段(といってもまだ3号ですが)とはちょっと違った特集も!

シネマプレス第3号 PDF

私が担当している『自主映画つくろう』記事を、
2号・3号分まとめて、加筆したものを。

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■自主映画をつくろう第2回・3回『箱を書く』

前回、企画趣旨・あらすじをまとめました。では次に脚本……に行く前にもう一手間加えます。
映画の設計図が脚本であるとすると、更にその脚本の「設計図」をつくる作業です。
この行程を飛ばしても脚本は書けますが、これはボディーブローのように後からじわじわ効いてくるものなので是非やってみて下さい。

『箱』を書きます。
映像製作で言う箱とは、ドラマの大きな流れを一つ一つの出来事ごとにカード化したものとでも思ってください。
まず『起承転結』の4つの箱を作ります。
あらすじが書けたということは、『起承転結』の『転結』は決まっていますね。
何故ならあなたが描きたいことはそこに集約されているはずだから。
まず『転結』があり、そこまでを『起承』でどのような展開でもっていくか、という考え方をすると作りやすいと思います。


まず『起』ですが、物語の導入部です。大きく分けて2種あります。
一つは、主人公たちの目的が明確に提示されるもの、もう一つは逆に目的が明確でないもの、です。

映画『アルマゲドン』を例にするとこれは前者で、冒頭で「地球に巨大な隕石が迫っており、それを宇宙空間で爆発させ地球への衝突を回避させ地球を救う」物語であるというわかりやすい説明と、主人公の紹介がされます。
一方、目的が不明確なものとしては映画『桐島、部活やめるってよ』あたりがわかりやすいでしょうか。
「高校のスーパースター・桐島が部活をやめるという噂が校内に流れ、事実桐島は突如姿を消し、混乱する同級生ら」。
桐島という人物を探す、という目的はあるものの、「何故探すのか」「探し出してどうしたいのか」冒頭ではそれが明かされません。物語が進むにつれ徐々に明かされていきます。
前者・目的が明確なものの特徴は、つかみが良く観客がすんなりストーリーに入り込める利点がある一方、途中で展開が読めてしまう・ベタな展開になりやすい、といった短所があります。
また、後者・目的が不明確な場合、展開に予想がつかないので観客を飽きさせないかと思いきや、あまりにじらしすぎると冗長になり中だるみしてしまう可能性も孕みます。
「行き当たりばったり型」とでも言うとわかりやすいでしょうか。

どちらも一長一短ですが、ここではベーシックに前者で話を進めます。

この『起』パートの大きな役割とは、舞台・状況の説明と目的の設定です。
5W1Hで言う、『いつ、どこで、誰が、何故、何をしようとする』話なのかを説明し、『どのように』それを遂行していくのかを提示します。
コレ、一言で言ってしまうと、『転結』のアンチ(対照・真逆)を描きます。
「ステキな恋愛を成就させる」話であれば逆の「モテない主人公の現在」を。
「サッカーでメンバーとの衝突やなんやかんやがあって友情を育む」話であれば「まとまらないサッカー部内の現状」を。
「大切な人の死を乗り越え自立する」話であれば、「まだまだ依存していて自立できていない状態」を。

さてここからが腕の見せ所です。アンチを描くということですが、その答えは一つではなく、程度や方向・設定はいくらでも考えられます。
先の例に出した「ステキな恋愛成就」の話であれば、主人公は「オタクでコミュニケーション障害でブサイクだからモテない」のか、「付き合うことはできるが毎回1週間もたずにフラれる」のか、はたまた「主人公にモテる素養は十分あるが、難病で既に余命が宣告されており、自ら諦めてしまっている」のか。あなたが「転結」で描きたいもの、テーマに最適な題材を選択・設定して下さい。


次、『承』。
ドラマのスタートは切られました。
主人公は具体的に目標(転結)へ向かっていきます。
わかりやすい言い方をすれば、主人公が様々な障害・壁にぶつかり、それを乗り越え、徐々にテーマに迫っていくパートです。
個人的には、「承」を制すものが映画を制す、と言いたいです。
「転結」なんてのは、とっておきの面白いネタやトリックだったり、これでもかというくらいにメッセージ性・テーマ性に溢れるものだったりするわけで、見ごたえがないわけがないんですよ。
ですので、いかにその「転結」までこの「承」で繋ぐか、うまい右肩あがりで盛り上げていけるか、というのが重要です。


お次、『転』。
最大の見せ場です。ということは、最大の障害が立ちふさがり、それを打破するということです。
大前提として、基本は主人公が能動的に動く方が望ましいです。
ラッキーハプニング的な受動的要因によって問題が解決されるといったことは、たまにはあってもいいですが、全部それでは面白くありません。
主人公が自らの力で障害を乗り越えることで観客は初めて共感できます。

ものすごくアホみたいに極端な話ですが、ラッキーハプニングとは例えばこんな感じ。

起:まとまらないサッカー部。部員足りない。インターハイ迫ってるのに出られない。
承:部員探しに奔走する。なんとか11人集める。
転:なんとか試合に出るが、試合中選手が怪我で退場。

ときて、ここで
「なんと偶然通りがかった同級生A君が交代要員になってくれて、その彼が実はすごくサッカーうまくて勝利」
ではダメなんですよ。当たり前ですよね。何も面白くない。
しかし「承」で事前に1ネタかませていれば通じます。

必死に部員集めに奔走する主人公。
サッカーがうまいと評判のA君を必死に勧誘するが、A君は首を縦に振らない。
実はA君の家は貧しく、土日(試合の日)はバイトをしなければならない。
主人公は某大学にサッカー推薦奨学生枠があることを調べ、A君に薦める。がまだA君は動かない。
試合当日、宅配のバイト中のA君が試合会場を通りがかる。
ケガをしても必死に戦おうとするサッカー部員の姿に心打たれ、飛び込みで交代要員として出場する。
といったように。
外的なハプニングは、あくまで主人公たちが必死に能動的に動いた結果でなければなりません。


『結』はテーマの余韻です。いつどこで誰が何故何をどのようにして『どうなった』。


さて、これら4つの大きな箱を作ります。
例によっていわきぼうけん映画祭実行委員会製作作品「R」で言うと、以下のようになります。

起:主人公の姉が行方不明になり、まとまらないバンド。まだ姉に依存している主人公。
承:離散していくバンドメンバー。
転:姉ナシでも主人公がライブ出場を決意。ファンと仲間の支えにより、自ら歌う。
結:観客の好反応。主人公の自信。亡くなった姉からの自立が果たされる。

『R』YouTube

4つの箱をつくったら、今度はそれを細分化していきます。
大箱に対して中箱・小箱などと呼ばれます。
小箱となるともはやシーン設定のレベルになります。
短編映画であれば小さい箱までつくる必要もないかもしれません。お好みで。

大中小の箱をつくったら、今度はそれを『構成』します。
箱とはカードのようなものだ、と初めに記しましたが、そのカードを一枚一枚、入れ替えたり削除したり新たに加えたりと全体の流れを精査します。

基本、全てにおいて逆算で考えるとつくりやすいです。
「こういった状況を描くには何が必要か」です。
前述の「転結のアンチの起承」のように。

さて、箱書き・構成に納得がいったら、今度こそ本当に脚本執筆へ! 続く

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あ、『LOUD VOICE』今回は桜が丘高校放送局です。
私も取材行きましたが、女子高生かわいかったですw
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近況

いわき市『非』公認のご当地ヒーロー映画『磐城七浜 ワダツミセブン』第4話制作開始。(2017年1月)

プロフィール

KAZAMI/羽賀慎一郎

Author:KAZAMI/羽賀慎一郎
風見映像スタジオ代表。
いわき市非公認ご当地ヒーロー映画『磐城七浜ワダツミセブン』監督・脚本・編集・プロデューサー。

福島いわきを拠点とし、市民参加型映画製作をしています。
人の生理に訴えかけられるような作品づくりが目標です。作品を通して、観て頂いた方々に、正のものであれ負のものであれ、何らかのEMOTIONを喚起できれば幸いです。

■いわき市非公認ヒーロー映画「磐城七浜ワダツミセブン」過去作品動画まとめページは<こちら>
ワダツミセブン公式サイトは<こちら>

■第2回いわきぼうけん映画祭実行委員会製作作品『R』、2013年2月完成。
まとめページは<こちら>

■2011年製作 自主映画『白薔薇が紅に染まるまで』まとめページは<こちら>
動画まとめページは<こちら>

■風見映像スタジオは『いわきぼうけん映画祭』を熱烈に応援しています。
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